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いつもどこかで

新川和江詩集『いつもどこかで』の13刷が出ました。

初版は1999年です。

このお仕事は、1995年の初めての個展にご案内した

大日本図書の編集部のOさんがお声をかけて下さいました。

「5年間、何かお願いできないかと考えていました。

新川先生の詩の世界がみやがわさんにきっと合うと思って…」と

仰られたのを覚えています。

この本は、「詩を読もう」シリーズの中の始まりの1冊ということでした。

たくさんの詩人のお名前をきいたのですが、

その時は、「次が谷川俊太郎さんと高階杞一です」というお話ししか

頭に入りませんでした!

新川和江「いつもどこかで」

谷川俊太郎「みんなやわらかい」

高階杞一 「空への質問」 

  (以下、出版順ではありません)

まどみちお「大きなおなかの小母さん」

阪田寛夫 「ほんとうた・へんてこうた」

高丸もと子「今日からはじまる」

木坂涼「五つのエラーをさがせ」

糸井重里「詩なんか知らないけど」

大橋政人「十秒間の友だち」

木村信子「もうだいじょうぶだから」

こんな立派なシリーズが、何年もかけて完成したのですね!

新川先生の書き下しの原稿のコピーをいただき、

押しつぶされそうなプレッシャーの中で、

ただただ夢中で描きました。

       こうろぎと空き缶

          ゆっくり


          ごめん

etc.etc.

ようやく描き上げ、

私は、イラストを原稿にきりはりし、

編集のOさんにお見せしました。

「うーん…出るかなぁ」

一瞬、Oさんの顔が曇りました。

淡く薄い灰色のトーンが印刷で出せるだろうか…と

不安になられたようです。

そして、

ぽんかん のイラストを見て、

「乗せましたかー!」 と一声

はい!みかんを雲に乗せました(笑)

デザイナーや印刷所の方々のご尽力で、

無事、淡い調子まで美しく刷り上げていただきました。

Oさんが、笑顔で「できましたよ」とゲラ刷りを見せて下さった時には、

本当にほっとしました。

(13刷になった今も、まったく色あせていません!)

そして、新川先生は、翌年、

2000年 『いつもどこかで』で第47回産経児童出版文化賞JR賞受賞

されたとのことでした。

おめでとうございます!

これからも末永く、この本が

い つ も ど こ か で

読み継がれていきますように

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