SOUL FOOD
Children
わたしだけでは届かない
あなただけも届かない
ふたりがかりでも届かない
けれど
わたしたちは永遠に
愛の弧を描き続けることができる
いつか何億人目かのわたしと
何億人目かのあなたが
きっとその手に夢をつかむでしょう
これは、SOUL FOOD というシリーズの中のひとつです。
この作品群が生まれた不思議ないきさつがあります。
それは、20年あまり前、
カリール・ジブランの詩集『預言者』をテーマに、
埼玉県立美術館の展示室で、二人展をすることになりました。
ところが、展示の日時が刻々と迫りながらもどうても描けず、もう搬入まであと一週間という時、
ふと手の赴くままサインペンで線を走らせました。
頭でなく、指先が考えながら描いている感じです。それを当時まだ市販されていた
大判の”プリントごっこ”でシルクスクリーンに起こし、展示にこぎつけたのでした。
さて、後日談があります。
はがき大に刷った作品を見た友人の yu-ki tanakaさんが、画から言葉が浮かんだと、
詩をつけてくれたのです。
ジブランから巡りめぐって、まったく別の詩画集が誕生したのでした。
この作品群が、スキンヘッドで裸の人物像なのは、
ジブランの詩集の装丁に着想を得ました。
体感覚で描いた作品でもあり、試みに”舞踏詩” と呼んでみました。