
赤ずきんちゃんの絵本を描きました。
本編は11場面。
この絵本は、色で内容を表現することを試みました。
登場人物の個性から、
赤ずきんちゃんは、赤
お母さんは、暖かい黄金色
狩人は、朱色
狼は、青
おばあさんは、紫
としました。
それらを表したこの画は、ぐるりとゲーテの色環になっています。


また、今回のイラストは色を活かすために、にじみ絵タッチにしました。
では、1場面からご紹介します。

まだ夢見ごちの赤ずきんちゃんは、桃色に包まれ….

お母さんからのおみやげは、あたたかい黄金色。
ワインの補色の紫は、おばあさんも暗示しています。

おおかみさんとぱったり! 青と赤のコントラストです。
おおかみは闇のような青。森の青緑に対して、あかずきんちゃんの足元は
春のような黄緑です。

お花を摘む赤ずきんちゃんは明るい黄に包まれ、外に気持ちが広がっています。
一方、おおかみはおばあさんの家~紫色へ向かいます。
心は内側に向かうかのように…

おばあさんをガブリ!

おおおかみの らんらんと光る目や舌の朱色をご覧ください。
赤ずきんちゃんも、ここではドキドキするような黄がかった赤に。

あかずきんちゃんも食べられていまいました。
そのことを、お腹の色で表現しました。
周囲はおおかみの満腹の気分を緑色で。

ふたりが出てきた後のお腹と先程のお腹との変化をご覧ください。
まわりのオレンジは狩人を暗示しています。

濃い青で、石の冷たさや重さを表しました。

思慮深くなった赤ずきんちゃんは、緑の中で赤を引き立たせました。
はじめの、桃色の中の夢見心地の赤と比べると、はっと目がさめるかの
ようです。
また一方で、緑は、ほっと安堵した気分も与えてくれます。
色には内的な意味があり、個人の好みを越えた、共通の感情があります。
誰もが知っているメルヘンを色で描いてみると、
色は、心を伝えることのできる共通言語であると、
あらためて感じます。
この本はまだ出版の予定などはありませんが、
これから、さまざまなメルヘンを描いてみたいと思います!