新人コンサートでお世話になった国際芸術連盟のジョイントコンサートに
参加することになりました!
蓋を開けてみたら、歌の方ばかり!
後から加わったピアノの方がもうひと方いるとのことですが、
それにしても、タイトルも、”歌に生き、恋に生き” とは、ビックリでした。
私はリストの『ため息』を選びました。
この曲は、私が17歳の頃、ピアノを辞める間際に弾いていた曲です。
ため息という通称がついている通り、大きなフレージングが続く、
ロマンチックかつドラマチックな難曲です。
17歳の私は、技術的に弾きこなすことで精一杯で、
この曲の味わいを表現することは、まだできませんでした。
まだ人生経験のろくにない、青くて硬い蕾みたいな小娘でしたから…
また、大きな壁にぶち当たっていた私は、ピアノに触れると泣いてしまい、
弾けなくなってしまうようなナーバスな状態でした。
この曲を境に、私はピアノと決別しました。
親や先生がこれまでかけてくれていた思いも断ち切り、
自分自身の人生を求めて、未知の世界に飛び込んだのでした。
この曲を弾くと、ずっと封印していたその頃の私と出会います。
そして、その頃の私と一緒に、その後私が歩いてきた道のりを
驚きながら眺めている50代の私がいます。
それは、いいも悪いも、たくさんの失恋の苦さや失望、切なさや喜びなど、
さんざ味わったあげくの私です。
この曲のフレーズは、まるで虹のように弧を描きます。
フレーズが、一筋ごとの色になって、虹のように重なっていく
波の上をそよぐ風が、大空に駆け上り、自由へと向かって、永遠の世界へと昇っていく….
そんなイメージが。